松本建設の家づくり
注文住宅の良さを、どんどん紹介します!
2025/04/18

古民家

先日インスタでも紹介させてもらいましたが、築160年程の古民家にお住まいのお客様が居ます。

名寄せ帳には、慶応時代と書かれていて何年とは書かれていないようですが、田島弥平さんの家より古いと昔から聞いているそうです。

慶応というと明治の前、江戸幕府が終わった時ですので時代劇の時。その時からこの場所に建っているのを想像しようと思うと何だか夢見てるようです。

このお宅こそ古民家ですが、田島弥平旧宅は世界遺産。この住宅は言うならば普通の住まい。

その違いは?

昔のままの姿を残しているか、どうかだと思います。

このお宅、建築当時は田島弥平旧宅のようにヤグラがあり蚕を飼うための造りになっていたそうですが屋根を葺き替えするタイミングで台風でヤグラが飛ばされる事があったので取っちゃってくれと、取ってしまいました。

また、私の父の時代ですが木製建具だったのを隙間風が酷いので全てサッシに変え雨戸もアルミ製に。

蚕を飼っていた2階部分は若世帯の住居にする為天井ふさぎ普通の洋間にと、色々手を加えながらお住まいになっています。そうでもしないと普通に住むことは難しいのではないでしょうか。

それでも根本的な解決にはなっていませんので、冬の寒さや隙間風、砂埃が溜まり、虫の出入りも多いと思います。全て畳ですので畳の入れ替えや掃除の手間。かなり大きな家ですので暖房費もとんでもなくかかってると思います。夏は涼しく感じられると言ってもさすがに昨今の暑さにはエアコンが必要だと思いますが、エアコン付けようと思っても建具ばかりでエアコンの設置場所や室外機の位置、電源はありませんので新たに電気を配線しないといけなかったりと何かと大変な生活を重ねていると思います。

おばあちゃんが、この家を治すのに新築で何軒たったことだか…と。

確かにそうだと思います。

なんだか色々考えてしまって、住む人にとって負担になってしまう部分もあるので簡単に古民家良いですね〜。羨ましいですねと言っていた自分が恥ずかしく思い反省しました。もっとちゃんと考えなきゃいけないなと。

この周辺にも同じような時代の建物はいくつかあります。

維持することの大変さはどのご家庭も同じだと思いますしそもそも後継が居ない建物もあると思います。

そんな建物は行政の方で維持したり元の姿に戻したりとそうなってくれると、後世に残るのかなと、難しい事を考えてしまいました。

 

松本。